文章題を理解して解けているか、確認してみてください。

春の空気が、感じられるようになってきましたね。

気がつけば、2月ももうすぐ折り返し。

新年度も、もうすぐそこです。

 

本日、新1年生となるお子さまとの授業で、このような文章題に取り組みました。

 

問題)

たろうくんは おかあさんと 8こいりの おまんじゅうを かいました。いえに かえって、おとうさん、おかあさん、たろうくん、おばあちゃんの 4にんで、おまんじゅうを 1こずつ たべました。

 おまんじゅうは なんこ のこっていますか。

  

いわゆる「ひき算(求残)」の文章題ですから、

 

式)8−4=4

答え)4こ

 

となるような問題です。

小学校1年生であれば、正しく式と答えを書けてほしい問題です。

 

ですが、この問題は、これだけでは終わりません。

この問題について、さらに、質問をしてみました。

 

「8−4」の「8」は、何をあらわす数なの?

「8−4」の「4」は、何の数なの?

 

この問題の答えとしては、

「8」は、「たろう君とお母さんが買った おまんじゅうの数」ですし、

「4」は、「たろう君たちが食べた おまんじゅうの数」という答えが「模範解答」だと言えます。

 

これらの質問について、このように「おまんじゅう」に修飾語をつけて説明することができたら、

小学1年生としても、かなり素晴らしいと思います。

 

 

ですが、この質問に対して、違った答えが返ってくる場合もあります。

 

この質問で気をつけなければならないのは、

「8−4」の「4」を、「おまんじゅうを食べた人数」と答えた場合です。

 

確かに、文章題に出てくる「4」は、

「4にん」という表現で出てきています。

 

ですから、文章中の「4にん」という表記を見たら、

「8−4」の「4」は、「4人」の「4」である、と考えるのも、無理はないかもしれません。

 

しかし、そのように考えてしまうと、

8このおまんじゅうから、4人を引く」という、

なんだか訳のわからないやりとりになってしまいます。

 

もし、お子さまが上記の文章題で、「8−4」と正しく立式ができていても、

「4」の意味を「人数」と答えるのであれば、

引き算の計算の意味を、正確に理解できているとは言えないかもしれません。

 

 

小学校の低学年で、文章題の問題を解く時にありがちなのが、「文章に出てくる数字を、順番に式に当てはめる。」というやり方をすることです。

 

たとえば、

「お池にアヒルが5わ泳いでいます。3羽いなくなると、残りは何羽ですか。」

と言った文章題であれば、「5」と「3」と「残りは」という記述だけを見て、引き算の立式をすることが可能でしょう。

 

ですが、そのような考え方で文章題に取り組むと、

「袋の中に、りんごが8こ、みかんが5こあります。ひろこさんは、袋の中にりんごを3こ入れて、みかんを2こ取り出しました。袋の中のみかんは、いくつになりましたか。」

と言った、式に必要ない数が含まれた問題になると、とたんに難しくなってしまいます。

 

あるいは、前述の「おまんじゅう」の問題で、

「いえに かえって、おとうさん、おかあさん、たろうくん、おばあちゃんで、おまんじゅうを 1こずつ たべました。」

としてしまえば、「4」という数字が無くなるために、さらに難しくなるでしょう。

(文章をしっかり読まないで解くと、「8−1」という式になるお子さまもいるはずです。)

 

「学校の単元テストでは、だいたい100点ちかく取れているけど、時々、文章題で間違えることがある。

という場合は、

このように、「文章をしっかり読まずに解答をしていないか」を、確認してみてください。

 

 

これは、「ケアレスミス」ではなく

問題の取り組み方として、できるだけ早くに修正をしていきたい重大な課題です。

 

そのまま、学年が上がっていき、

分数や、割合の問題など、問題が複雑になってきたときに、

感覚的に数字を当てはめて式を作るやり方が、「当たらなく」なってきてしまいます。

 

 

算数の学びはじめの早めの段階で、

「数字を当てはめているだけでは解けない文章題もある」

「文章題は、じっくり文章を読んで答えなければ」

といった意識を、持てるようにしたいものです。

 

 

アドバンスクラスでも、「文章題」教材を使用して、継続的に、文章題に取り組んでいく習慣をつけてもらっています。

 

計算練習だけでは身につかない文章題の練習を通して、

複雑な問題や応用問題にも取り組める、算数の「基礎体力」をつけていきましょう。

 

 

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藤田和彦