「たとえ上手」は「学び上手」!?

説明文を理解する上だけでなく、学習した内容の「整理」にも効果的な「能力」

 

今回のブログでも、

国語の文章読解に役立つ会話について書いていきます。

 

 

前回は、説明文(論説文)の文章読解を進める上で、

「筆者の主張」「例示」の部分を切り分けて読解しましょう、という話をしました。

 

普段の会話の中から、抽象的な会話と具体例を織り交ぜ会話をしていると、

「あ、ここは文章の幹の部分だ」とか

「ここは、例示が書かれれている枝葉の部分だ」といった認識(=主張と例示の切り分け)がしやすくなります。

 

 

実は、

説明文(論説文)の「枝葉」には、

具体例(例示)のほかに、もうひとつ大きな要素があります。

 

それが、比喩表現です。

 

 

比喩も、読者のイメージをより具体的にするために使われる。

 

このブログの、ここまでの部分でも、比喩表現が使われています。

 

説明文を、1本の木に喩えたときに、

筆者が言おうとしている部分(説明文の「論旨」)を「木の幹」にたとえ、

言いたいことを補完したり伝わりやすくするための部分を「枝葉」にたとえています。

 

説明文(の文章)における、可視化されていない論の構造をイメージするよりも、

木の幹や枝を想像する方が、目に見えるものでありイメージがしやすいからです。

  

 

比喩表現の中には、

「〇〇のように」などと、いわゆる直喩によるものと、

直接的には比喩表現であることを明示していない、いわゆる隠喩表現があります。

 

直喩表現であれば、「これは比喩表現だな」と理解しやすいのですが、

隠喩による比喩は、直喩と比べると、比喩表現であることが理解しづらいです。

 

 

比喩表現は、筆者の言いたいことを直接表しているわけではありませんから、

文章の論旨をまとめたり、筆者の意見について答える場合は、

その比喩表現をそのまま引用して答えるわけにはいきません

 

 

先の例で言えば、

「文章を読むときは、枝葉の部分を除く、木の幹の部分の内容を押さえることで、論旨を把握しやすくなる。」

というのは、論旨のまとめではありません。

 

「文章を読むときは、例示や比喩による表現を除いた、筆者の主張が書かれた部分がどこかを押さえることで、論旨を把握しやすくなる。」

と、比喩の内容をたとえられている元のものに置き換えてまとめる必要があります。

 

 

ですから、「ここは比喩表現がされているかどうか」を認識できるかどうかによって、

文章読解のスピードや精度に、大きな違いがでてきます。

 

 

筆者がしている比喩表現を理解する力は、

自分自身が、普段から比喩表現を活用していくことで、高められます。

 

親子での会話の中でも、

普段から、どんどん比喩表現を使っていきましょう。

 

 

何かを喩えるためには、「共通項」を理解している必要がある。

 

この、比喩表現を使うためには、

 

ものごとの「構造」「特徴」を捉えて、

それと同じ構造や特徴をもつ別のものと置き換えることが必要です。

 

 

例えば、三日月を「バナナ」と喩え、

満月を「おまんじゅう」と喩えることは、

三日月や満月と、バナナやおまんじゅうの「形」における共通点を活用した比喩です。

 

 

怒ったお父さんの「雷が落ちる」というのは、

お父さんの怒鳴り声と、雷鳴の「音」の共通点を活用した比喩表現だと言えるでしょう。

 

 

見えたものや、学んだことを、

同じ構造の別のものに喩えることができると、

その比喩が本質を捉えていればいるほど、会話も面白くなるかもしれません。

 

 

さまざまな物事の構造や特徴を理解して、

共通点があるものを結びつけることができるということは、

これまでに理解したことを、新しい学びや情報(状況)に引用して当てはめることができる、ということです。

 

比喩表現を使いこなせるようにしていくことで、

文章読解に限らず、科目横断型の学習を進める力も、さらに高めていくことができるでしょう。

 

 

ぜひ、楽しみながら、

「喩える力」も高めてみてください。

 

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