先取りの「かけざん九九」の、その前に
本日は、四ツ谷アドバンスクラスでした。
外は、あいにくの雨でしたが、
室内で学習を進める上では、まったく問題ありません。
むしろ、集中して「量」にこだわることができた90分だったのではないでしょうか。
少しずつ、ですが、確実に、
「当たり前」のハードルを上げていきましょう。
「かけざん九九」を暗唱する前に。
小学校1年生のお子さまで、
「たし算」「ひき算」は、問題集をひと通りやり終えたから、
じゃあ次は、「かけ算」だな、
とばかりに、
かけ算の「九九」を覚えようとすることが、あるでしょう。
ひょっとしたら、就学前の年長さんの段階から、そのような取り組みをしているお子さまも、いるかもしれません。
それはそれで、素晴らしいことです。
「九九」をマスターすることで、さらに複雑な計算にも、どんどん、取り組んでいくことが可能になります。
ですが、その前に、
こちらの「暗唱」は、できるでしょうか。
かけざん「九九」を覚えようとするよりも前に、
完璧に、暗唱してほしいことがあります。
それは、
18までの、「数の構成」です。
たとえば、「15」は、いくつといくつでできているでしょうか。
9と「6」
4と「11」
7と「8」
といったように、
18までのそれぞれの数が、いくつといくつでできているかを、
瞬時に、答えられるようにしましょう。
これは、つまり、
「くり上がりのあるたし算」や、
「くり下がりのあるひき算」を、
一瞬で解くことを可能にする学習です。
たとえば、「6+9」を、
「6は、あと4で10になるから、9を4と5に分けて、
6+(4+5)=(6+4)+5=10+5=15
答えは15」
と計算するのは、
くり上がりのたし算の「学びはじめ」の手順としては良いですが、
このような考え方で足し算をしているうちは、
素早く計算をすることはできません。
くり上がりの計算も含めて、
答えを頭の中にインプットしておくことが大切です。
この学習を疎かにしていると、
たし算や引き算の「筆算」がスムーズにできないため、
のちのち、計算への「苦手意識」を持つようになりかねません。
また、それを避けて「かけざん」の学習に入ったとしても、
かけざん「九九」が言えるようになるまでは良いものの、
2桁以上のかけ算の「筆算」に取り組む段階で、また壁にぶつかります。
(計算内で、足し算を多用することになるからです。)
「九九」は、低学年の算数学習の「ヤマ場」のような印象があるため、
早く、そこに取り組みたい、という気持ちにもなりますが、
やはり、算数の学習は、「順を追った積み重ね」が大切です。
先ほどの「6+9」についても、
15が「6と9」でできていることを知っていれば、
反射的に「15」と答えることができるようになります。
引き算についても、
たとえば「15−6」を問われた場合も、
「10から6をひいた答えの4と5を足して9」
ではなく、
1秒も間をおかずに「9」が答えられるようにします。
ちなみに、
2から18までの数の構成を、パターン分けすると、
(たとえば、15は「6と9」と「9と6」も別として数えると)
じつに、153パターンの答えが存在します。
それに対し、
九九は、半分ちょっとの81パターンです。
2から18までの数の構成を「組み合わせ」で考えたとしても、
(つまり「6と9」「9と6」は、1組と考えた場合、)
81通りの組み合わせがありますが、
対する「九九」の「組み合わせ」は、これも半分ちょっとの45通りです。
つまり、
くり上がりのたし算、くり下がりの引き算も、スムーズに答えを出していけるための
「数の構成」を覚える方が、
かけ算「九九」を覚えるよりも、数の上では倍ちかく大変ということになります。
それゆえ、ここを中途半端にしながら、次の学習に進んでしまっている1年生は、
おそらく、かなりの割合でいることでしょう。
ですが、
後々、計算問題がスムーズに解けるようになることを考えたら、
この「数の構成」は、非常に大切です。
当然、たし算、引き算の計算(筆算)に、繰り返し取り組む中で、
これはパターンとして覚えていくようになるのですが、
かけ算「九九」にチャレンジしよう、と考える前に、
まずは、この「18までの数の構成」を、スムーズに解けるかどうかを、確かめてみてください。
確かめ方は、
「あわせて〇〇にするクイズ」として、
お父さま、お母さまが言った数と、合わせてその数になるように答える形式でクイズをします。
たとえば「あわせて15にするクイズ」なら、
6→「9」
13→「2」
7→「8」
10→「5」
というふうに、矢印の先の答えを、即答できていればオッケーです。
間違えてしまったり、頭の中で計算をして考えてしまっているようであれば、
まだ、パターンを覚えられてはいない、ということになります。
ぜひ、即答できることを目指して、繰り返し覚えていってください。
ちなみに、
1年生のたし算、ひき算の学習の中でも、難所となる「くり上がり」「くり下がり」ですが、
答えが繰り上がって11以上になる2つの数(1桁)のパターンは、
上記の153パターンのうち、36パターンです。
(「組み合わせ」で考えると、20通り)
つまり、「くり上がり」「くり下がり」の計算だけを考えたら、
覚える個数は、そこまで多くはありません。
そして、この20通り36パターンを、覚えているか、覚えていないかで、
たし算、ひき算のスピードは、劇的に変化します。
たし算、ひき算を極めるための「数の構成」、
ぜひ、マスターしてみてください。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 学習教室2024年3月31日前向きな気持ちで、新年度を迎えましょう。
- 学習教室2023年12月31日2023年の終わりによせて
- 学童教室2023年8月31日夏休みも終わり、2学期がスタートしてきます。
- 学童教室2023年8月4日もし、chatGPTに読書感想文を書かせてみたら?