前回の「クイズ」の答えの意味を、じっくり考えてみましょう。
前回の「クイズ」の答えです。
まずは、あらためてクイズの問題を見てみましょう。
クイズ)
旅人が、道を歩いていると、分かれ道がありました。
一方の道は「正直村」に、もう一方の道は「うそつき村」につながっています。
「正直村」の住人たちは、何を聞かれても、正直に答えてくれる人たちです。
反対に、「うそつき村」の住人たちは、何を聞かれても、嘘しか答えません。
分かれ道には、「正直村」からきた住人が1人、「うそつき村」からきた住人が1人いて、道案内をしてくれるのですが、2人のうち、どちらが「正直村」の住人で、どちらが「うそつき村」の住人かは分かりません。
旅人は、この2人に同時に1回だけ質問をして、「正直村」に行くことはできるでしょうか。
あなたが旅人だったら、2人にどんな質問をしますか?
「あなたは正直村の人ですか?」と聞いたら、
1人は「はい」、もう1人は「いいえ」と答えます。
「正直村はどっちですか?」と聞いたら、
1人は右の道を、もう1人は左の道を指さします。
逆に、「うそつき村はどっちですか?」と聞いたら、
1人は左の道を、もう1人は右の道を指さします。
どうすれば良いのでしょうか。
先週のお教室で出た、
もっともシンプルな正解からご紹介します。
正解「あなたはどちらからやってきたの?」
正直村から来た住人は、自分が住んでいる「正直村」を指さすでしょう。
うそつき村から来た住人は、自分が住んでいる「うそつき村」を指すと、本当のことを答えてしまうことになるので、反対の「正直村」を指さすでしょう。
つまり、この質問をしたら、
正直村の住人と、うそつき村の住人の、2人がともに「正直村」がどこにあるかを示してくれるのです。
このシンプルな正解をイメージできた人は、論理的な思考力が高いでしょう。
ひとつの質問をしたときに、「正直村の住人はどう答えるかな」「うそつき村の住人はどう答えるかな」ということを、順番に考えながら検証をすることができるからです。
正解の鍵は、
この問題を正解する鍵は、「うそつき村の住人」に、どうやって正直村を示してもらうかを考えることです。
うそつき村の住人が、「嘘」をついたときに、正直村を指さすことになるような質問を考える必要があります。
もちろん、同時に「正直村の住人」にとっては、自分の村を指さすような質問でなければなりません。
柔軟な発想力も必要でしょう。
「答えをすぐに出す」必要はない。
初めて、この手の問題に取り組むときは、
いろいろな可能性を考えられる、じっくりと時間をとれる状態で取り組むと良いでしょう。
正解が出るまでの時間そのものが、思考力を鍛える時間になるからです。
(わからないから、すぐに答えを、というのでは、考える力はそこまで鍛えられません。)
試行錯誤の過程の中で、算数の問題にも使えるような論理の力を身につけていきましょう。
正解は、1つだけではありません。
ちなみに、先ほどご紹介した「正解」は、かなりシンプルなものですが、
そのほかにも「正直村の場所を知る」という目的を達成できる「正解」はあります。
別解を1つ、ご紹介しましょう。
別解「隣の人に「うそつき村はどちらですか?」と聞いたら、どちらを指さしますか?」
少し複雑なので、順番に見ていきましょう。
まず、「正直村の住人」がこの質問をされたときについて考えます。
「正直村の住人」の隣にいるのは、「うそつき村の住人」です。
うそつき村の住人に「うそつき村はどちらですか?」と聞いたら、正しい答えの「うそつき村」ではなく、「正直村」を指さすことになるでしょう。
「正直村の住人」は、その答えを正しく伝えれば良いので、正直村を指さして答えることになります。
次に、「うそつき村の住人」がこの質問にどう答えるかを考えましょう。
「うそつき村の住人」の隣にいるのは、「正直村の住人」です。
正直村の住人に「うそつき村はどちらですか?」と聞いたら、正しい答えの「うそつき村」を指さすことになるでしょう。
「うそつき村の住人」としては、その答えを正しく伝えるわけにはいかないので、反対の正直村を指さして答えることになります。
結果的に、2人ともが「正直村を指差す」ことになります。
質問では「うそつき村はどちらか?」という質問への回答について聞いていますが、
両者の思考の過程に「1回だけ嘘」が含まれるので、このような質問の仕方になりました。
低学年の皆さんにとっては、
この別解の「意味」を考えて理解するだけでも、すごいことでしょう。
もう少し、学年が上になってからでも、良いと思います。
「なんとか自力で理解してやるんだ」というガッツのある子は、
ぜひ、じっくり考えてみてください。
応用レベルの算数学習の扉を開くことになるでしょう。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 学習教室2024年3月31日前向きな気持ちで、新年度を迎えましょう。
- 学習教室2023年12月31日2023年の終わりによせて
- 学童教室2023年8月31日夏休みも終わり、2学期がスタートしてきます。
- 学童教室2023年8月4日もし、chatGPTに読書感想文を書かせてみたら?