月の変わり目に、「12」という数についての話。

8月が終了して、明日からは、いよいよ9月です。

 

今年も、3分の2が終了して、残すところは3分の1ということになります。

 

1年は12カ月です。

 

なぜ、1年は12ヶ月なのでしょうか。

「10」の方が、キリがいいような気もします。

 

ですが、このように、1年を「○分のいくつ」と分数で考えようとしてみると、

「12」という数字の持つすごさに気がつきます。

 

 

「12」という数字は、1〜6までの数字で、5以外の全てを約数に持つため、

1年を分数で表すと、月の変わり目に1年を「○分の1」を使って表現することができる月が、12カ月中なんと9カ月もあります。

 

1月末…「今年の12分の1が終わった」

2月末…「今年の6分の1が終わった」

3月末…「今年の4分の1が終わった」

4月末…「今年の3分の1が終わった」

5月末…該当なし

6月末…「今年の2分の1(半分)が終わった」/「今年もあと2分の1(半分)」

7月末…該当なし

8月末…「今年もあと3分の1」

9月末…「今年もあと4分の1」

10月末…「今年もあと6分の1」

11月末…「今年もあと12分の1」

12月末…「今年も、もうおしまい!」

 

年末も、「ちょうど1年」と考えたら、

スッキリしないのは、「12分の5」と「12分の7」の2つだけなのです。

 

こうやって考えると、

12進法、そして時刻の計算の際に使われる60進法は、

分数で表記する際に、「約分してきれいな分数」にしやすいという特徴があるのが分かります。

 

分母・分子が自然数の分数の場合、

いずれも、約分した後の分母は、もとの分母の数の約数のどれかとなりますから、

 

そのバリエーションは、

10の場合、約分して分母になるのは1,2,5,10の4つ

100の場合でも、約数は1,2,4,5,20,25,50,100の8つです。

 

それに対して、

12の約数は1,2,3,4,6,12の6つ

60の約数は、1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60と、12個もあります。

 

約数の数だけを比べても、ちょっとパッとしませんが、

「3」「4」が分母となる分数を作れるのも、

12進法の強みだということが分かります。

(特に、10進法だと、「3分の1」が、0.33333……、の無限小数になってしまうのが、ちょっと都合が悪いですよね。)

 

 

逆に、普段の計算などで使っている10進法の強みは、

「両手を使って数えやすい」というところにあり、

その点だけでも、日常の数を10進法で扱うことは優れています。

 

ただし、こと「分数」で考えようとするときには、12進法、60進法にも価値があるのですね。

 

ちなみに、

現在の算用数字は、0から9までの10種類しかないので、12進法での計算は大変ですが、

これも、「10」と「11」にあたる数字が存在していれば、スムーズに計算できていたはずです。

 

もし、左右の指の数が6本ずつの宇宙人や、脚の数が12本の宇宙人が文明を持っていたら、

その文明では、12進法がスタンダードになっているかもしれません。

 

 

ただの、月の変わり目に、

そういうことを考えてしまうことができるくらい、

「数」の世界は奥深く、面白いところがあります。

 

 

たまに、こんなふうに、

どうでも良さそうなことを考えたりしながら、

数についての興味・関心を深めてみるのも、いいかもしれません。

 

 

何はともあれ、9月が始まります。

 

これから、季節は本格的に「秋」へと向かっていきます

 

暑さも和らいでいく中、

さらに、充実した毎日を過ごしてまいりましょう。

 

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藤田和彦