発展クラスは「よく噛んで、味わいながら食べる」がごとく。
昨日は、アドバンスクラスの発展クラスでした。
少人数でのお教室となりましたが、
じっくり、みっちり、学習を進めることができました。
学習の合間に、休憩の時間も設定していましたが、
休み時間の間にも、積極的に学習をしようという姿が印象的でした。
少しの時間も、こうして学びに変えていくことで、
どんどん、新しい知識も増えていきますね。
お教室の中でも、日常生活の中でも、
どんどん、学びを深めていきましょう。
答えは、あえて、「すぐには教えない」。
昨日の発展クラスの中でも、わからない問題についての、質問の声があがりました。
「分からない」があった時に、
すぐに、答えを見つけるためのサポートができるのが、自学自習とは違った、お教室での学習のメリットではあります。
ですが、アドバンスクラスでは、
「分からない」問題についても、
すぐに、その「答え」だけを教えるようなことはしていません。
その代わりに、
そういった「分からない」問題すら、
新たな学びへのきっかけとして、大切に扱っています。
たとえば、昨日は、
漢字の問題について、この問題で「分からない」が発生しました。
(問)次のカタカナを漢字に直して書きましょう。
お客さんは大かんセイを上げた。
この問題についての、「分かりません」について、
どのように取り扱ったかを、順にご紹介します。
まずは、「ヒント1」
「セイ」以外を漢字で書くと、「大歓セイ」となることを、ホワイトボード上に書いて示しました。
当然、「歓」という字が、学校で習っている漢字ではないことは知った上でです。
「ヒント」とは言っていますが、
これがヒントにならないことは、承知の上で、あえて「大歓セイ」と書きました。
なぜか。
教科書や、問題集には書かれていない漢字も、あえて見せることで、
後の「読む」力を増やしていくためです。
漢字については、
「読めること」「書けること」が喜びに繋がります。
事実、
まだ、学校で漢字を習っていない、未就学のお子さまたちでも、
「漢字が書ける」ことを、自慢げに伝えてくれることが、数多くあります。
全ては、自発的な学習によるものです。
決して「覚えてね」と教え込むわけではなく、
「覚えよう」という意識が働いていないうちから、漢字に触れるようにする。
この、微かな積み重ねが大事だと考えています。
当然、これがヒントにはなりませんから、
続いて、「ヒント2」「ヒント3」と、同じ「セイ」がつく言葉を書いていきます。
「セイ楽」
「音セイ」
「セイ量」
「肉セイ」
「美セイ」
全て、同じ「セイ」を使う言葉です。
それぞれの言葉について、説明や例文を交えて口頭で補足をします。
「セイ楽というのは、オペラとかの歌のことだよ。」
「肉セイは録音じゃないよ。」
「彼は大きなセイ量の持ち主だ。」
「彼女のビ声に、森の動物たちも集まってくつろいだ。」
ここまでで、ピンとひらめくこともあるでしょうが、
今回は、まだ答えが分からない様子でした。
そんな中で、「訓読みのヒントもほしい」というリクエストがありましたので、
訓読みの言葉もヒントで紹介することにしました。
そこで書いたのが、「こわ色」。
(例文は「彼は、こわ色を変えて話し出した。」)
これもあえて、もっともメジャーではない読み方をヒントで出しました。
最終的には、「他の読み方で言うと?」で、答えがわかっている子に「こえ」を答えてもらい、
「あ、なるほど!」となったわけですが、
このように、あえて、答えを書くためには「無駄な回り道」とも取れるようなヒントを挙げていくことは、
少しでも、「分からない」問題について考える時間を持ち、
また、その周辺(今回は、「声」を使った他の熟語について)の知識も、あわせて身につけていくことを、ねらいとして持っていました。
こう言った、「まわりくどい」指導ができるのは、
基本的に、学習のリズムが作れていて、
問題集を「終わらせる」ことだけを目的にしていないお子さまとの学習ならでは、です。
(問題集を「終わらせること」を最優先の目標にしている場合、こうした時間は、その分、問題に取り組むのが遅れてしまいますから、「無駄な時間」ということになってしまいます。)
こんな、意図的な脱線も含めて勉強にできてしまう。
「ゆるく」もあり、「自由」でもあり、
かと言って、進めようとした問題演習は、しっかりと取り組むことができる。
これが、「発展クラス」の醍醐味です。
月1回の発展クラスは、次回は来月ですが、
また、じっくり、みっちり、
味わい深い勉強ができるのを、楽しみにしています。
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