計算問題で重要な「工夫する」という視点

本日は、算数の問題を解く上で大切になってくる「考え方」について書いていきます。

 

この考え方、視点があるのとないのとで、

算数の問題の答えが、あっさり出せるのか、時間と気力と集中力を要することになるのかが変わってきます。

 

 

突然ですが、ここで例題です。

 

例題)次の計算をしなさい。

25+156-48+75-52-26+70=

 

小学2〜3年生レベルの計算問題ですので、

読者の皆様は、ぜひ、答えを出してから、次へ読み進めてください

(その方が、この後の説明が理解しやすいと思います。)

 

 

 

答えを、出してみましょう。

 

算数の教材は、「答え」は書いてあっても、

「答えまでの手順」については書かれていないことも多くあります。

なので、今回は、答えまでの手順についても触れながら「解説」をしていきます

 

 

解答の手順1

「25+156-48+75-52-26+70=」を解くためには、

順番に、計算をしていけば答えが出ます。

 

つまり、

25+156=181

181-48=133

133+75=208

208-52=156

156-26=130

130+70=200

ということで、答えは「200」です。

 

このように、計算をした方は、当然いるかもしれません。

おそらく、このような計算問題に初めて取り組む小学生は、このように、計算をすることでしょう。

(なぜなら、学校では、そのように計算の手順を説明するからです。)

 

繰り上がりのある足し算や、繰り下がりのある引き算をスムーズに計算することが、

答えを出す上での「キモ」になってきます。

 

 

解答の手順2

「25+156-48+75-52-26+70=」という問題を見たときに、

 

「ああ、めんどくさそうだな」

というふうに感じた人も、いるかもしれません。

 

その感覚は、むしろ「正常」です。

 

逆に、その感覚がある人こそ、

算数の学習で次のステップに行ける可能性があると言えす。

 

解答の手順の2つ目にして、

この問題をスムーズに解く方法は、

問題の数字に、色をつけるとわかりやすくなります。

 

どのように色をつけるかというと、

25+15648+755226+70=」

このように色をつけていきます。

 

すると、

25+75=100

156-26=130

48+52=100

となりますから、

 

25+15648+755226+70

=100+130100+70

となります。

 

そして、

=100+130-100+70について、

100-100=0なので、

 

=100+130-100+70

=130+70

=200

となります。

 

あえて、細かく順番に計算の過程を書いていますが、

実際は、答えが100になるような足し算と、

答えの十の位以下が0になるような引き算しか、していません。

 

計算ミスが起こる確率も、「解法1」と比べるとはるかに少ない、

シンプルな計算で答えを出すことができました。

 

これが、「工夫して計算する」という考え方です。

 

 

工夫して計算する「かけ算」

 

計算の工夫は、「足し算」「引き算」に限られるものではありません。

 

たとえば、次のような問題も、工夫して計算することができます。

 

例題)次の計算をしなさい。

24×25=

 

 

この問題も、正攻法は「筆算で計算する」ことです。

初めのうちは、その計算方法を覚えることが先です。

 

ですが、以下のような考え方を知っているだけで、

計算のスピードは確実に早くなります。

 

24×25

=(6×4)×25

=6×(4×25)

=6×100

=600

 

これも、細かく手順を書いてはいますが、

慣れてしまえば、暗算で答えを出せるようになります。

 

 

算数の問題に取り組むときの「スタンス」

 

算数の問題を解く上で、大切な「工夫」について2つ例を紹介しましたが、

このような「工夫して計算できる」例は無数に存在します。

(「問題の数だけ工夫が存在する」とすら言えるかもしれません。)

 

それらの工夫パターンの、ひとつひとつを紹介していく、というよりも、

算数の問題を解く上で大切な、全てに通じる考え方を共有した方が、話が早いです。

 

 

算数の問題に取り組むときの「スタンス」、考え方、というのは、

 

「いかに、手間をかけずに答えを出すか」ということです。

 

 

このようなことを言ってしまうと、一部からは非難の声が上がるかもしれませんが、

それでも、算数を得意科目にしていく上で、この考え方は外せないので、

非難異論には目をつぶり、言い切りたいと思います。

 

算数の問題は、

答えを出すことができるのならば、「手抜きしてナンボ」です。

 

逆に言えば、

いかに、手間をかけずにゴールにたどり着けるか、

いかに、手を抜いて答えを出せるか、

を追求するのが、算数という教科であり、

 

もし、答えにたどり着くための近道やショートカットがあるなら、

ためらうことなく、使いつくすことこそ「正解」なのです。

 

算数においても、

コツコツと、愚直に努力することや、

「千里の道も一歩から」で、着実に歩いていくように答えを出すことも必要ですが、

それは、「近道」が見えない時や、歩く以外の手段がない時などの「やむを得ない場合」であって、

目の前に近道があったら、その道を選択すべきですし、

車や新幹線に乗れるのであれば、真っ先に乗るべきです。

飛行機やロケットがあるなら、そちらに乗ることが正解です。

 

 

もし、この考え方を否定する人がいるのであれば、

極論、その人は、

「8+8+8+8+8+8」の計算を、

「8×6」と一度に解くことを可能にした「かけ算」という手法自体も否定しなければならない、ということになります。

(「かけ算」自体が、「足し算」のショートカットであることは、小学校2年生で学習します。)

 

繰り返しますが、

「算数(数学)」という教科の問題は、

解答に至るまでに「楽してナンボ」です。

いかに手際よく、要領よくやることができるか、が大切なのです。

 

この考え方を持ち合わせながら、算数の学習をするのと、

この視点を持たないままでいるのとでは、

学習の「密度」と「効果」が大きく変わるでしょう。

 

そして、勘違いしてはならないのは、

テスト本番において、最善の「手抜き策」を思いつく人というのは、

様々なバリエーションの「工夫」を自由に使いこなせるために、

膨大な数の問題について「工夫のしどころ」を探し続けてきた人である、ということです。

 

算数における「工夫」を発見する視点というのは、

決して、才能だけのものではなく、

それ相応の、演習の積み重ねによって身につくのです。

 

しかしながら、その「演習の積み重ね」というのは、

ただ、漫然とやる計算練習によるものではない、ということは、

少し、補足をしておきます。

 

「学習」そのものも、

意図と意思を持って取り組んだ方が

やはり、効果的なのです。

 

 

そのように考えたら、

いかに、勉強に「意図」を持ってもらうかが、

学習をサポートする側の「テーマ」でもあると言えるでしょう。

 

ただ、漫然と勉強を教えているだけでは、この「答え」にたどり着くのには時間がかかるに違いありません。

私たち教える側も、「意図」を持って学習サポートをしていくことが必要です。

 

そして、その意図を持った「姿勢」そのものが、

お子さまたちの学ぶ姿勢にも、影響していくことを、願っています。

 

 

古今東西、技術の発展は、「いかに楽をするか」の連続でした。

学習においても、「いかに楽をするか」を追求しながら、技術を磨いていきましょう。

 

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