1年は12ヶ月、1時間は60分、……中途半端に感じるこの分け方にも、メリットがありそうです。

早いもので、2021年度も、もうすぐ2ヶ月が過ぎ去ろうとしています。

 

月末が近づくと、

「今年も、何分の1が終わったな(あと何分の1だな)」

などと考えたりします。

 

1年は12ヶ月あるので、

年始から考えると、

1月末…今年も12分の1が終わった

2月末…今年も6分の1 が終わった

3月末…今年も4分の1 が終わった

4月末…今年も3分の1 が終わった

6月末…今年も2分の1 が終わった&今年もあと2分の1

8月末…今年もあと3分の1

9月末…今年もあと 4分の1

10月末…今年もあと 6分の1

11月末…今年もあと 12分の1

となり、

たいていが、「○分の1」という表現で表すことができるのですが、

 

5月末と、7月末だけは、

「○分の1」という表現で言い表すことができません。

 

 

その代わり、

年度始まりの4月から考えると、

 

5月末で、今年度の6分の1が終わったことに、

7月末で、今年度の3分の1が終わることになり、

 

なんとなく、キリが良くなります。

 

 

「基準となる点を変える」ことで、

物事が違った見え方をする、ということは、

 

他にも応用がきく法則かもしれません。

 

 

そして、毎月の月末を、ほぼ「○分の1」で表現できることにも、理由があります。

 

それは、

「12」という数が、

1、2、3、4の最小公倍数であるからです。

 

これによって、

分母が12ならば、

分子が2、3、4(そして2×3の6)のとき、

約分することによって、「○分の1」の形を作ることができます。

 

 

こうした法則は、1年の12ヶ月だけではありません。

 

「時刻と時間」の学習をしているときに、

「なぜ、1時間は60分であり、1分は60秒なのだろう?」と思ったことも、あるかもしれません。

(1時間が100分だったり、1分を100秒にしたほうが、覚えるのにも計算するのにも混乱しないようにも思えます。)

 

私も、小学生で、時計の学習をするときには、そう思っていました。

 

 

ですが、ある時、

「60」という数が、

1、2、3、4、5、6の最小公倍数であることに気がついて、

1時間が60分にわけられていることの意味を感じました。

 

 

つまり、

1年の12ヶ月や、

1時間の60分、という数字は、

「わりやすい」数だということなのです。

 

事実、12の約数は1,2,3,4,6,12の6個

60の約数は1,2,3,4,5,6,10,12,15,20,30,60の12個あります。

 

それに対して、

10の約数は1,2,5,10の4個

100の約数は、1,2,4,5,10,25,50,100の8個で、

また、いずれも「3でわりきる」ことができません

 

3でわりきることができなければ、

当然、6でわりきることもできません。

 

 

 

その他にも、

「角度」も1周で360°ですが、

360には、1,2,3,4,5,6,8,9,10,12,15,18,20,24,30,36,40,45,60,72,90,120,180,360の24の約数があり、

とくに、1〜10までの数で考えると、

「7以外のすべての数でわりきれる」ことがわかります。

 

角度については、

1年が、ほぼ360日であることとも、関係ありそうな気もしますが、

 

10進法では、「キリが良くない」と思っていた数も、

実は、思いがけないメリットがあったのだ、ということに気づくと、

算数の時間が、また違ったふうに見えてきます。

 

 

こうして、身の回りの、いろいろな数について考えてみると、

新しい発見があるかもしれません。

 

お時間があるときには、

ぜひ、身の回りの数について、

考えを深めてみてください。

 

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藤田和彦