AIによる個別最適化された学習教材は、どれだけ学力アップに役立つのか。
昨日は、高田馬場でアドバンスクラスでした。
お振替と発展クラスということで、
昨日は、3年生と6年生のみの少人数クラスでした。
じっくりと問題に取り組む中で、
新たに課題が見つかるなど、
成長に向けた有意義な時間を過ごすことができたように思います。
早速、今日からの家庭学習や、次回のお教室にも、学びを活かしていきましょう。
AIによる学習教材の個別最適化は、学習者の成績向上にどれだけ資するのか。
本日のお教室とは違う話ですが、
お教室後の振り返りの際に、このようなテーマの話が出たので、
AIによる学習教材について、少し、書いていきたいと思います。
現在、
学習者の学習履歴を管理して、
その達成度や、これまでの他の先輩の学習データももとに、
それぞれの学習者にとって、ベストな教材をオススメする教材やアプリが、
色々と、開発されてきています。
全国の学習者の、膨大な学習履歴をもとに、
「次の教材」を提案してくれるのは、
非常に頼もしい、と感じている保護者の皆様もいらっしゃるかもしれません。
学習者の膨大なデータを集積して、
その上で、ベストな教材を選定するだけの処理ができるようになった、
ということ自体は、まさに「技術革新」の結果であると言えるでしょう。
ですが、
そういった画期的な教材があったところで、
それだけで、学習者の成績が向上するとは言い切れない。
というのが、今日のところの結論です。
そのように結論づけるは、
「本当に個別最適化された教材が提案されるのか」
とか
「そもそもの教材の質はどうなのか」
といった理由からではなくて、
「結局は、教材に取り組むまでがポイントである」
ということと、
「教材は、実際の勉強の進め方までは教えてはくれない」
ということが理由です。
とくに、幼児期や低学年においては、
学習に取り組む「まで」のプロセスと、
学習を習慣化させるため取り組みが、
非常に重要です。
教材があれば、
その全てが解決するわけではありません。
それらの点を考慮しないで、
「いい教材」
「いいシステム」
というところだけがクローズアップされればされるほど、
「すごい教材やシステムがあれば学力は伸びる」
という、学習そのものに対する大きな誤解を生み、
「そんなすごい教材があるにもかかわらず、わが家は(わが子は)ダメだった。」
という、あやまった結論にたどり着いてしまうことにもなりかねない、
とも思います。
また、
「提案されたものからしか学びにできない」
ということも、じつは考えものだと思っています。
学習を、「食事」に例えればイメージしやすいかもしれませんが、
「健康のために、最適な栄養バランスの食事メニューを組みました。今夜は、ハンバーグと野菜サラダを作って食べましょう。」と提案するアプリ
(ないしは、作るのではなく「今夜は、このレストランのハンバーグを食べましょう。」でもかまいません)
があったとしても、
「いや、今日はむしろ唐揚げの気分なんだよなあ。」
と、思ったりするんじゃないかなあ、という気がします。
唐揚げが食べたいのに、アプリに決められたハンバーグを食べるようになると、
それは、食における自由が失われている、と言えるでしょうし、
「今日、何食べたい?」
というご家庭での会話も失われれば、
レストランで、「何を食べようかな」
と、自ら選んで決める機会だって失われることになります。
食事の例と同じように、
学習だって、
学習者の興味や関心にしたがって、
自由に組み立てていけるものであってほしいな、と思いますし、
すべてを、何物かの「判断」に委ねるということは、
本当の意味での「自立」から遠ざかるということにもなる、とも言えるかもしれません。
「あなたにオススメ」の学習教材の提案は、
学習を前に進める手助けとも、なるかもしれませんが、
それは、あくまでも「参考程度」と捉えるとして、
大切なのは、
何を学ぶか「自分で選び、自分で決める」ことだと考えています。
(幼児期・小学生の低学年において、全ての学習メニューを決めることは難しいでしょうが、最終的なゴールを「自分で決めること」であることは認識しておく必要があるでしょう。)
それは、「どう学ぶか」という学び方の一つの要素でもあり、
結果的に、自らの意思で学ぶことを選択することが、
より深い学びの理解に、繋がっていくことでしょう。
今日は、四ツ谷でのアドバンスクラスです。
お教室での教材は、
それぞれに向けて、ちょうど良いレベルのものを選んで準備していますが、
その中でも、
自分の意思で問題に向かう、という機会を作ったり、
学習の進め方について伝えていける、
そんな時間を創れたらと思っております。
一緒にお勉強をする皆さんと、
今日も、楽しく勉強できるように、
お教室で、お待ちしています。
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