テスト本番を意識した「リハーサル」に早めに取り組むメリット
都内の中学受験が、佳境を迎えています。
今週は、都内の中学受験の本番が、続々と実施されています。
学校によっては1月からスタートしている中学受験シーズンも、いよいよ佳境です。
真剣勝負の本番をやり抜いている受験生の皆さん、
今日も、お疲れさまでした。
そして、多くの中学受験塾では、
この本番シーズンは、受験生に完全に集中し、他の学年は授業がお休みとなっているでしょう。
来年度、受験の本番を迎える5年生(新6年生)の皆さんは、
塾がお休みのこの時期に、ぜひ、来年の本番の「リハーサル」をすることをオススメします。
受験に向けた「リハーサル」とは。
受験本番に向けた「リハーサル」というのは、
平たく言えば、志望校の「過去問演習」です。
ただし、
この過去問の取り組み方に、ルールがあります。
まず、市販の過去問教材を準備します。
そして、問題用紙のページと、解答用紙のページを、本番同様の用紙サイズでプリントアウト(コピー)します。
これを、1つの年度の、受験する科目全てでおこないます。
(もし本番で国・算・理・社の4科目が実施されるなら、その4科目分をコピーします。)
そして、実際の試験時間(時刻)に合わせて、
すべての科目の解答を1日でやり切ります。
途中で昼食をはさむ場合などは、
その時の時間も合わせるようにします。
当然、前日は、本番と同じ感覚で就寝して、
当日は、本番と同じ時刻に起き、朝食を摂ります。
受験生の皆さんの中には、「過去問演習」をするときには、
1科目ずつ分割して取り組んでいる人も多いことでしょう。
あるいは、塾の授業では1つの大問のみ解答・解説をする場合もあるかもしれません。
もちろん、そのような取り組み方をすることに「意味がない」わけではありませんが、
本番を完全に想定するのであれば、
就寝時刻から起床時刻、そして休憩時間までも合わせた過去問演習をした方が良いのです。
これは、学校がお休みの時、
なおかつ塾がお休みの時にしかできません。
ちなみに、本番1年前、というと、
「まだ、学校で習っていない範囲」がテストで出題されることも当然あります。
さらには、塾でも取り扱っていない範囲が出題されることもあるかもしれません。
そういったことから、中学受験塾の中には、
「まだ、過去問をやるのは早いよ。」とアドバイスをしていることもあるでしょう。
確かに、これはその通りで、
5年生の時点で志望校の過去問演習をしたところで、
合格点に到達できる子は、ほんの一握りでしょう。
合格点に到達しないことは承知の上で、
それでも、この「リハーサル」を、1年前の時点にすることをオススメしています。
その理由は、
「1年間で、どこまで力をつければ良いのか」がわかるからです。
当然、合格点からは程遠い点数となるのが、1年前の時点での過去問演習です。
ですが、だからこそ、
「ここから1年で、たくさんの勉強をして力をつけていかなければ」ということが明確に意識できるようになります。
同じような点数を、8月の過去問演習で出してしまうよりも、時期が早い分、よっぽど良いのです。
さらに、この時期に過去問演習をすると、
点数は低くとも、それでも「正解できる」問題もあることに気がつくでしょう。
その問題に関しては、
「すでに、本番レベルまで達している」部分だとも言えます。
いま受験をしても、正解できる問題が、すでにいくつかはあるのです。
このことは、
それまでの学習の「手応え」を感じることにもつながります。
そして、2月の時点で「リハーサル」をしておくことで、
夏休みごろに、同じように「リハーサル」をしたときに、
半年の変化が見えるようになります。
着実に力がついていたら、
それまでの取り組みに対して自信がつきますし、
思うほど変化していなかったら、
それまでの学習ペースを見直し、もう一段階ギアを上げることを意識することもできるでしょう。
本番から、ちょうど1年前に、
受験の問題に取り組むことは、
中学受験だけでなく、高校受験を控える中2生、大学受験を控える高2生にもオススメです。
低学年の皆さんも、今年に受ける予定のテストがあれば「リハーサル」をしてみましょう。
例えば、「漢字検定」を受検してみようと思っている人は、
専用のテキストの勉強をする前に、
一度、本番の問題にチャレンジしてみることをオススメします。
「全然わからない!」と感じるでしょうが、
それで、いいのです。
数ヶ月のお勉強をしたときに、
「できない!」が「できる!」に変わっていることを実感することができます。
学校のテストも含めて、
基本的に、90点、100点がスタンダードになっている人には、
特に、この「リハーサル」の効果が大きいです。
20点が90点になる体験をすることができるからです。
普段、そのような経験がない分、
成長の実感を、明確に感じることができます。
「現在地」に自信をなくす必要はない。
受験1年前の過去問演習を「しない方がいい」という理由としては、
「今やっても、できないことで自信をなくすから」
という考え方があります。
確かに、志望校の過去問に取り組んで、全然できないことで、
「自分には受験できるだけの力がない」と落ち込む人も、いるのかもしれません。
同じ結果が、6年生の12月に出ていたら、
これは落ち込んだり絶望したりすることもあるでしょうが、
1年前で落ち込んでしまう人は、
自分の可能性を過小評価しています。
大切なのは、ゴールからの「逆算思考」
現在地から、「1年で自分がどこまで行けるか?」を考えるのではなく、
1年後の目的地から「1年間でどこまで行けばいいか?」を考えることが大切です。
むしろ、1年後には、
過去問レベルの問題がすんなり解けることが「決定事項」なのですから、
あとは、そのために相応しい行動を考えれば良いだけです。
「いやいや、そんなふうに考えられたら困らないよ。」
という声も聞こえてきそうなのですが、
むしろ、小5の2月の時点で、
このように感じられるような「確固たる自信の土台」を持ち合わせておくことが大切です。
現在、小学校低学年の子たちを持つお父さま、お母さまは、
高学年の時に、テスト本番からの「逆算思考」をできる状態になっていることを、
低学年時の、ひとつの到達点として目指してみてください。
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