国語の文章読解:「選択式問題」を解く際に役立つ視点
今朝、自宅の外に出たら、
ちょうど、小学校に登校する子どもたちの一団が通り過ぎるところでした。
よく考えたら、これが「いつもの」光景なんだなあと、しみじみ感じました。
まだまだ、学校の完全再開までは少し時間があるでしょうが、
6月中には、通常スケジュールに戻ってくることを、期待したいです。
さて、本日も、国語の文章読解、「選択式問題」の解き方についてです。
前回ご紹介した「消去法」の他に、
選択式の問題を解く上で持っておきたい、2つの「視点」をご紹介します。
選択式問題を解く上で必要な視点①:「全肯定」「全否定」は、まず疑う。
たとえば、説明文などの問題の選択肢の中に、このような文章が含まれていたとします。
「今や、すべての種が絶滅の危機に直面していると言える。」
「新しいことを学ぶ際には、必ず失敗を経験しなければならない。」
「彼ほどの偉人は、今後絶対に現れないだろう。」
これらの文章に含まれている、
「すべての」「必ず」「絶対に」といった表現は、
100%、あるいは0%であることを意味します。
こういった選択肢があったときは、
それ以外の内容が、文章全体では「それらしい」ことを言っていても、
「100%(あるいは0%)」を示すような記述が文章中にあるかどうかを、確認するようにします。
全体として、言っていることが正しいように思えても、
「全肯定」「全否定」までを文章で語っていない場合、
それらの選択肢は、「不適切」な選択肢となります。
「全肯定」「全否定」ではない以下の表現と区別が必要。
また、以下の表現には、「すべての」「必ず」「絶対」という表現が入っていますが、
それらの表現を打ち消している場合は、「全肯定」「全否定」とならないので注意が必要です。
「すべての〜が、〇〇とはいえない。」
「必ずしも〇〇というわけではない。」
「絶対に〇〇すべきというわけでもない。」
全肯定が、「100%」「0%」というのに対して、
これらは、「100%ではない(つまり0〜99.999……%)」「0%ではない(つまり0.00……1%はありうる)」ということを言っています。
(「完全」を否定することによって、結果的には「ほぼすべて」の可能性を示すことになるのです。)
もちろん、これらの表現であっても、
文章中に、それらの内容と同じような表現があることを「証拠」として見つけるという作業をするのは一緒です。
選択式問題を解く上で必要な視点②:心情表現の意味が正確に分からない場合は、「プラス」「マイナス」で切り分ける。
物語文などで、登場人物の「気持ち」について答えるような選択問題が出たとします。
語句の意味を正確に理解できていれば、解答に困ることはないのですが、
自分の言葉で、(なんとなく意味はわかるものの)明確に説明しきれないような語句が出てくることもあります。
あるいは反対に、物語の登場人物の心情について、あまりイメージできない時もあるでしょう。
そういった時に、登場人物の気持ちを、
「少なくともプラス(嬉しい、楽しい、など)かマイナス(悲しい、悔しい、など)か」
を考えることで、
選択肢の半分近くを「消去」することができます。
物語文では、「出来事」が「(登場人物の)心情」に影響を与えますが、
それぞれの「出来事」に対して、登場人物の心情が「プラス」「マイナス」のどちらに動いているか(時に、その両方を抱えた「複雑な感情」になることも)を見極めることで、
話の流れや主題も見極めやすくなります。
この「プラス」「マイナス」についての視点は、説明文でも活用する機会があります。
たとえば、前段で書かれたことが「プラス」の内容だったとして、
そこに逆接の接続詞「しかし」が来たとしたら、
「あーなるほど、ここからマイナスのことを書くんだな」と、内容に見通しを立てて読むことができます。
逆もまたしかり、で、
「マイナス」の内容を書いているところで、逆接の「だが」などが来たら、
その後に「プラス」の記述が来ることになります。
文章を、細かく読み込む上で、
まず、ざっくり「プラス・マイナス」を把握しておくことで、
全体の大まかな流れをつかむことが可能になります。
ぜひ、これらの2つの視点も持ちながら、国語の文章読解の問題に取り組んでみてください。
その上で、様々な文章読解に取り組んでいくことで、
どんどん、正確に選択肢を選ぶ「スキル」が身についていくはずです。
次回からは、国語の文章読解における最大の山場「記述式問題」で得点する力の付け方をまとめていきます。
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