(小学生高学年以上むけ)前回の分数問題の解答・解説

今回の記事は、

前回のブログで出題した「分数問題」について、

答え合わせと解説をしていきます。

 

 

問)□の①②に入る数字(整数)の組み合わせは何通りでしょうか。(①,②)の形ですべての組み合わせをあげましょう。

 

 

 

 

 

 

 

当初の設問の意図としては、

が答えられれば、「小3レベルの分数の学習内容の理解」ができています。 

 

 

ですが、この問題の□に入る数字の組み合わせは、(①,②)=(8,8)だけではありません。

 

たとえば、

といった数字でも可能です。

(2/6は、1を6個に分けたうちの2つ分なので、1/3と同じで、

同様に6/9は2/3と同じです。)

 

 

 

他にも、①と②の組み合わせはあるでしょうか。

 

まずは、小学生(高学年)でも理解できる内容で解説をしていきます。

 

 

分子が同じで、分母が変わると、分数はどうなるか。

 

たとえば、左側の「□分の2」について考えてみましょう。

 

□の中の数が、大きくなると、分数はどうなるでしょうか。

 

このように、分子が同じ数の時、

分母が大きくなればなるほど、その分数は小さくなります。

(数字だけでイメージが難しい場合は、実際に数直線を使って大きさを比較してみるとわかりやすいです。)

 

この中で、(「□分の2」と「□分の6」がそれぞれプラスの数となるとすると、)

「□分の2」は、1より小さくなるため、

①の中に入る数は、3より大きくなります。

 

ですから、①のなかに、3から順番に数を入れて、考えてみましょう。

 

2/3とあわせて1になるのは、1/3なので、

「□分の6」が3分の1となるような②は18。

よって、(①,②)=(3,18)

 

同様に、「□分の6」は2分の1となるので、②は12。

よって(①,②)=(4,12)

 

「□分の6」が5分の3となる②は10。

よって(①,②)=(5,10)

 

 

これは、先ほどの例で上がっていました。

(①,②)=(6,9)

 

 

次は、順番に考えたら①=7ですが、

ここで、先にあげた、この式から考えます。

 

右側の分数は、

ひとつ上の、「9分の6」から、

分母が1つ減って、「8分の6」となっています。

②に入る数字が整数である場合、6/9と6/8の間に入る数はない(8と9の間に整数はないから)ので、

2/6と2/8の間にある2/7と、足して1になる「□分の6」は無い、ということになります。

 

よって、(①,②)=(7,②)となる②はなく、

次は、(①,②)=(8,8)となります。

 

そのように考えると、以降は、②の数字を順に小さくしていけば答えが分かります。

「□分の2」が7分の1となる①は、14です。

よって、(①,②)=(14,7)

 

そして、②は6以下になると、□分の6が1以上になってしまうので、

②=6とはなりません。

 

なので、問題の答えとなるのは、以上の6組となります。

 

 

答)(①,②)=(3,18),(4,12),(5,10),(6,9),(8,8),(14,7)の6通り

小学生の考え方では、上記の順番で考えて、順番に計算をしながら解いていくことができれば、正解にたどり着くことができたかもしれません。

 

高学年としても、発展問題の領域と言えるでしょうから、

6通り全てを、順番に見つけ出すことができた人は、

分数の理解がよくできていて、算数力がかなり高いと言えるでしょう。

(ひょっとしたら、大人の方でも、考えることを放棄してしまうような難問かもしれませんね。)

 

 

おまけ)数学で考えると……、

小学生の皆様には需要がないですが、

この問題を、数学の考え方で処理すると、このようになります。

 

 

小学生の知識では、答えを、ひとつひとつ見つけ出す必要がありましたが、

中学以降の「数学」の考え方を使えば、

まとめて、①と②の組み合わせを把握することができました。

 

算数と数学は、

大きくルールが変わるような印象もありますが、

問題を解くための「道具」を集めていく、というスタンスは同じです。

 

算数の問題も、いろいろな考え方を使いこなせるようになっていくために、

様々な問題を、試行錯誤しながら考えていくことの積み重ねが、力になります。

 

考え方をマスターした上で、

スムーズに計算をしていく力も必要になっていきますので、

基礎の計算練習にも、繰り返し取り組んで、マスターしていきましょう。

 

 

明日は、アドバンスクラスのオンライン教室です。

 

明日は、発展的な学習についての授業も行います。

(とは言っても、ブログの分数問題と比べたら、簡単ですのでご安心ください。)

 

皆様と一緒に、

「?」が「!」になる学びの時間を過ごしましょう。

 

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藤田和彦