(小学生高学年以上むけ)前回の分数問題の解答・解説
今回の記事は、
前回のブログで出題した「分数問題」について、
答え合わせと解説をしていきます。
問)□の①②に入る数字(整数)の組み合わせは何通りでしょうか。(①,②)の形ですべての組み合わせをあげましょう。
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当初の設問の意図としては、
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/a1a73efd8dc6a85757a9dd520d1b9b23.png)
が答えられれば、「小3レベルの分数の学習内容の理解」ができています。
ですが、この問題の□に入る数字の組み合わせは、(①,②)=(8,8)だけではありません。
たとえば、
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/55a851de2cfe929bbca1be9a150798f2.png)
といった数字でも可能です。
(2/6は、1を6個に分けたうちの2つ分なので、1/3と同じで、
同様に6/9は2/3と同じです。)
他にも、①と②の組み合わせはあるでしょうか。
まずは、小学生(高学年)でも理解できる内容で解説をしていきます。
分子が同じで、分母が変わると、分数はどうなるか。
たとえば、左側の「□分の2」について考えてみましょう。
□の中の数が、大きくなると、分数はどうなるでしょうか。
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/1f26bd92ab333882da6cf220e7692afd.png)
このように、分子が同じ数の時、
分母が大きくなればなるほど、その分数は小さくなります。
(数字だけでイメージが難しい場合は、実際に数直線を使って大きさを比較してみるとわかりやすいです。)
この中で、(「□分の2」と「□分の6」がそれぞれプラスの数となるとすると、)
「□分の2」は、1より小さくなるため、
①の中に入る数は、3より大きくなります。
ですから、①のなかに、3から順番に数を入れて、考えてみましょう。
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2/3とあわせて1になるのは、1/3なので、
「□分の6」が3分の1となるような②は18。
よって、(①,②)=(3,18)
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同様に、「□分の6」は2分の1となるので、②は12。
よって(①,②)=(4,12)
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「□分の6」が5分の3となる②は10。
よって(①,②)=(5,10)
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/da69324c96e16e7b9fcd61cfbce8e44d.png)
これは、先ほどの例で上がっていました。
(①,②)=(6,9)
次は、順番に考えたら①=7ですが、
ここで、先にあげた、この式から考えます。
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右側の分数は、
ひとつ上の、「9分の6」から、
分母が1つ減って、「8分の6」となっています。
②に入る数字が整数である場合、6/9と6/8の間に入る数はない(8と9の間に整数はないから)ので、
2/6と2/8の間にある2/7と、足して1になる「□分の6」は無い、ということになります。
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/2daf358e1832ce9df239f55ba7c6e64b.png)
よって、(①,②)=(7,②)となる②はなく、
次は、(①,②)=(8,8)となります。
そのように考えると、以降は、②の数字を順に小さくしていけば答えが分かります。
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/02ba4c20b75a60bba3bbef0edc120e4f.png)
「□分の2」が7分の1となる①は、14です。
よって、(①,②)=(14,7)
そして、②は6以下になると、□分の6が1以上になってしまうので、
②=6とはなりません。
なので、問題の答えとなるのは、以上の6組となります。
答)(①,②)=(3,18),(4,12),(5,10),(6,9),(8,8),(14,7)の6通り
小学生の考え方では、上記の順番で考えて、順番に計算をしながら解いていくことができれば、正解にたどり着くことができたかもしれません。
高学年としても、発展問題の領域と言えるでしょうから、
6通り全てを、順番に見つけ出すことができた人は、
分数の理解がよくできていて、算数力がかなり高いと言えるでしょう。
(ひょっとしたら、大人の方でも、考えることを放棄してしまうような難問かもしれませんね。)
おまけ)数学で考えると……、
小学生の皆様には需要がないですが、
この問題を、数学の考え方で処理すると、このようになります。
![](https://ejisonclub.com/wp/wp-content/uploads/2020/05/8f7b08810d5c8b4c26ea19671b4d6fa0.png)
小学生の知識では、答えを、ひとつひとつ見つけ出す必要がありましたが、
中学以降の「数学」の考え方を使えば、
まとめて、①と②の組み合わせを把握することができました。
算数と数学は、
大きくルールが変わるような印象もありますが、
問題を解くための「道具」を集めていく、というスタンスは同じです。
算数の問題も、いろいろな考え方を使いこなせるようになっていくために、
様々な問題を、試行錯誤しながら考えていくことの積み重ねが、力になります。
考え方をマスターした上で、
スムーズに計算をしていく力も必要になっていきますので、
基礎の計算練習にも、繰り返し取り組んで、マスターしていきましょう。
明日は、アドバンスクラスのオンライン教室です。
明日は、発展的な学習についての授業も行います。
(とは言っても、ブログの分数問題と比べたら、簡単ですのでご安心ください。)
皆様と一緒に、
「?」が「!」になる学びの時間を過ごしましょう。
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