「かけざん九九」は、早めに覚えた方が良いのか。

今日は、こんな疑問をいただきましたので、この問いについて、考えていきたいと思います。

 

ご質問)

小学2年生の算数で、「かけ算九九」を習いますが、学校の授業に合わせて覚えようとしている2年生を見ていると、覚えるのに、かなり時間がかかってしまっていて、大変なように感じます。

せっかくなら、2年生の授業で習う前に、九九を覚えさせておいた方がいいのではないか、と思うのですが、どうでしょうか。

 

 

本日は、このご質問に答えていきます。

 

主に、小学校1年生、あるいは年長さんのお子さまに関係してくる話題だと思います。

 

 

結論)「九九」は、学習のステップが「かけざん」に到達した時に覚えるべし。

 

端的に結論を出すとすると、上記が私の答えです。

 

「1年生に九九をやるのは早い」とか、

逆に「2年生に九九をやるのは遅い」とかいうことはありません。

 

ただし、

算数の計算で言うと、「たし算」「ひき算」の計算が、「くり上がり」「くり下がり」も含めてスムーズにできていること、

その上で、「かけ算」の学習に入っていこうとしていること、

が、「九九」を覚える「適切なスタート時期」です。

 

ですから、

小学校1年生でも、(あるいは年長さんでも)

1年生の算数がスムーズに理解できていて、

2年生の内容について「先どり」学習を進めていこうとしていることが、

「九九」を覚えようとするための前提条件になります。

 

 

なぜならば、日常の計算の中で「九九」を使い続けない限り、その暗記は無意味になるからです。

 

小学校で習う算数の学習は、

「これまでに習ったこと」をもとに、新しい考え方や概念を身につけていきます。

(もっと言えば、中学・高校の数学もしかり、です。)

 

たとえば、

「かけ算」というのは、

その理解に、「たし算」が必要です。

 

「九九」を暗唱できていない時は、

答えを思い出す際に、足し算を使って考えていくことになります。

 

例)3の段の九九なら

3×1=3

3×2(=3+3)=6

3×3(=6+3)=9

3×4(=9+3)=12

3×5(=12+3)=15

3×6(=15+3)=18

3×7(=18+3)=21

3×8(=21+3)=24

3×9(=24+3)=27

 

暗唱できていない場合は、このように頭の中で暗算をすることになります。

 

これができるためにも、

たし算の「くり上がり」について、頭の中で暗算できるくらいにまで身についている必要があるのです。

(さすがに、指を使って「数え足し」をしながらだと、特に6〜9の段が非常に大変です。)

 

 

逆に、かけ算がたし算からできているという理屈が理解しきれていないと、

かけ算で解けばスムーズな文章題に、たし算を使って考えようとするようなことが起こりえます。

たし算で問題を解ければ、それでも悪くはないのですが、

「これって、かけ算にしたほうが楽だよな。」という発想になるには、

「たし算→かけ算」の変換を理解することが大切です。

 

 

また、学習には、「くり返し」が必要です。

 

繰り返し取り組むからこそ、知識が定着していきます。

逆に、使わない知識は、どんどんと忘れ去られていきます

 

大人でもそうですが、

たとえば、高校受験、大学受験に使った知識も、

そのまま触れずに数年もすれば、すっかり忘れてしまっている、などということはあるでしょう。

 

子どももそうで、

たとえ、いったん「九九」を覚えたとしても、

もう一度「九九」を思い返すこともないまま、しばらく経てば、その記憶は曖昧になってくるものです。

 

学校で習う、かけ算の「九九」は、「覚えっぱなし」になることがありません。

 

なぜなら「九九」は、

それを暗唱しようと「覚える」時だけ勉強するものではなく、

その後、すぐに「かけ算」の問題に取り組んでいく際に、大いに活用することになるからです。

 

単元が「かけ算」でなくなっても、「九九」を使い続けることになります。

 

面積を求める際も、

あるいは「わり算」の学習に入ってからも、

つねに「九九」を使いながら、算数の学習は続いていきます。

 

ですから、

小学校で「九九」を習った後は、

算数の学習に取り組み続ける限りは、

必ず「九九」を使い続けることになるのです。

 

 

これが、

「かけ算」の学習とは無関係に、単に「九九」を暗唱しようとする場合との大きな違いです。

 

実際に、

就学前の時点で、「九九、言えるよ。」と教えてくれる子はたくさんいますが、

その後、1年も経ったころに、あらためて「かけ算」の単元に入った時に、

すっかり「九九」を忘れている、ということも、よくあることでもあります。

 

もちろん、その後、あらためて「九九」を覚えなおしてからは、

スムーズに、九九を活用して「かけ算」の計算ができるようになるわけなのですが、

そうであれば、かけ算の学びはじめから「九九」を覚えても、大きくは変わらなかったのではないかなあ、というふうにも感じます。

 

 

もちろん、学年相当の学習を超えて「先どり」学習を進めることは、

子ども心にも、「できる」という自信につながるでしょう。

 

学年相当の学びで、学習を止める必要はないですが、

学びのステップに沿って、着実に、理解を深めていくのがオススメです。

 

(実際に、アドバンスクラスに通う多くの生徒のみなさんも、学校の授業に先んじて、算数の理解を進めていっています。)

 

 

小学1年生のお子様も、

ぜひ、学校より先に「九九」の勉強に取り組めることも目指しつつ、

毎日の学習を進めていってください。

 

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