算数問題を解く時は「今できる最善」のやり方を追求していきましょう。
本日は、午後から四ツ谷でアドバンスクラスでした。
新1年生中心のお教室でしたが、
皆さん、最後まで集中して学習に取り組むことができました。
小学校への入学の準備も、着実に進んでいっていますね。
引き続き、毎日の学習を続けてまいりましょう。
前回の「算数問題」についての「解き方」の説明です。
まずは、もう一度、問題を確認してみましょう。
問題)次の□に、2、3、6、7の数字をひとつずつ入れて、式が成り立つようにしましょう。
1+□+5+□=□+4+□
この問題の、4つの□には、どの数字が入るかを考えていきましょう。
1年生なら、以下ような「試行錯誤」の結果として正解を出せたら「合格」です。
まず、□の中に、とりあえず数字を順番に入れてみましょう。
1+2+5+3=6+4+7?
すると、等号(=)の左側(つまり左辺)は、
1+2+5+3=11
右側(右辺)は、
6+4+7=17
となります。
これでは、真ん中の等号(=)が成立しません。
そこで、適当に数を入れ替えてみます。
例えば、左側の2と右側の7を入れ替えてみましょう。
1+7+5+3=6+4+2?
すると、
(左辺)=1+7+5+3=16
(右辺)=6+4+2=12
で、
今度は左側が大きくなってしまいました。
今度は、左辺の大きい数と、右辺の小さい数を入れ替えてみます。
先ほど、7と2を交換したので、そうでない数を入れ替えてみます。
試しに、7と6を入れ替えてみましょう。
1+6+5+3=7+4+2?
すると、
(左辺)=1+6+5+3=15
(右辺)=7+4+2=13
となり、
まだまだ、左側の数が大きくなってしまいます。
今度は、3と2を入れ替えてみましょう。
1+6+5+2=7+4+3?
すると、
(左辺)=1+6+5+2=14
(右辺)=7+4+3=14
となるので、
ついに(左辺)=(右辺)となり、正解がわかりました。
(もちろん、左辺の6と2、右辺の7と3は、順番が逆でも正解です。)
1年生であれば、
このように、繰り返し試行錯誤をする中で正解までたどり着くことができれば、「合格」だと言えるでしょう。
問題自体も、
このように、繰り返し足し算の計算をすることを意図しているものと思われます。
ただ、もう少し「スマート」な解法があるなら、それも追求していきたいところですね。
そうしてこそ、「アドバンス」ともいうべきでしょう。
そこで、最初に数を入れた、
1+2+5+3=6+4+7?
から、
両辺の数の違いを考えます。
両側の数の違いは、
(右辺)17−(左辺)11=6です。
つまり、両辺の数を同じにするには、
「左側から3つ減らして」
「右側を3つ増やせば」
ちょうど良い、ということになります。
言い換えると、
左辺の数と、それより3つ大きい右辺の数を入れ替えると正解が出せます。
そうなるのは、
左辺の3と、右辺の6です。(∵6−3=3)
1+2+5+6=3+4+7
先ほどよりも、スムーズに正解に辿り着くことができました。
これは、より厳密にいえば、より上の学年の内容とも言えますが、
就学前からお勉強をしてきた子にとっては、
「多い方から、少ない方に、数の違いの半分だけ移せば、同じ数になる」
ということは、すでに知っていることかと思います。
その知識を、算数の「計算式」という文法上に当てはめてあげればいいだけです。
「ちょっと、何言ってるかよくわからない」という方も、大丈夫です。
もう少し上級の「文章題」のテキストでも、
同じような学習をしていくことができます。
実質は、小学校3年生レベルの解法とも言えるでしょう。
小学3年生以上の知識があれば、もっと、明確に答えを出すことができます。
せっかくですから、
この問題を解く際の「最善手」をご紹介しておきましょう。
小学校3年生以上の計算力があるならば、
このやり方で解くことが求められます。
裏を返せば、
先取りをして、小学校3年生以上の計算ができるとしても、
この解き方を活用できなければ、
それは、「使える算数力」とまでは言えない、ということです。
もう一度、問題を確認してみましょう。
問題)次の□に、2、3、6、7の数字をひとつずつ入れて、式が成り立つようにしましょう。
1+□+5+□=□+4+□
□の中に入れる数字は、2、3、6、7の4つですが、
すでに式の中にある1、4、5も含めると、
「この等式の中には、1〜7までの数字がひとつずつある」
ということに気がつきます。
つまり、
この等式の両辺(左辺と右辺)の値を合わせると、
1+2+3+4+5+6+7=7×(7+1)÷2=28
です。
全部で28となる数を、左辺と右辺で等分していますから、
左辺と右辺の数は、それぞれ
28÷2=14
となります。
現時点で入っている数は、
左辺が1+5=6
右辺が4
ですから、
残りの数は、
左辺が14ー6=8
右辺が14ー4=10
です。
2、3、6、7の4つの中から2つを合わせて8、10となる数の組み合わせは、
8=2+6
10=3+7
の1組しかありません。
よって、それぞれの数を□の中にあてはめて、
1+2+5+6=3+4+7
と正解を出すことができます。
細かく計算の過程を書いていますが、
小学3年程度の計算力があれば、
これらは、すべて暗算で考えることも可能な簡単な計算でしょう。
このように、算数の問題には、さまざまな「解き方」がある場合があります。
このように、
繰り返しの試行錯誤で正解を出せた問題も、
さらなる算数力を身につければ、
より簡単に、より素早く、より確実に正解を出していくことができるようになります。
算数の問題に取り組む際は、
「(自分が今知っているやり方の中で、)いちばん、あっさり答えを出せるのは、どの方法だろう?」
ということも、意識しながら取り組んでみてください。
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