低学年の「算数」学習は、「たし算」「ひき算」「かけ算」「わり算」の計算ができればオッケー、ではない。

2021年の「下半期」がスタートしました。

 

今年も、折り返しです。

 

年の後半は、夏休み、そして長い2学期があります。

 

1日1日を大切に、

着実に学習を積み重ねていきたいところです。

 

 

低学年の算数の「基礎」は、高学年、あるいは中学生の学習にも活かされます。

 

現在、アドバンスクラスとして、メインとなっているのは

小学校低学年のお子さまたちです。

 

ですが、

低学年時から学習をしてきた子で、

学年が上がった後も、一緒に学習していっている生徒もいます。

 

 

そうすると、

過去の学習を前提として、指導をすることができるので、

理解を積み上げやすいです。

 

 

例えば、

小学校1年生1学期のうちにマスターしておくこと望ましい「算数言葉」

つまり、たし算の考え方である「あわせて」「○つ増える」「○つ多い」や、

ひき算の考え方である「残りは」「○こ減る」「○つ少ない」「あといくつ」などについて、

明確に理解ができていると、

学年が上がった後に、「線分図」を使って数量関係を説明したり、「□を使った式」を考える際も、

上記の算数言葉を使った説明をすれば、スムーズに立式をすることができます。

 

お子さまによっては、就学前から、こういった言葉の意味の理解に時間を割いてきているわけなので、ある意味、それが「普通」という感覚にもなります。

ですが、このベースがないまま高学年になっていると、たし算やひき算ですら、即座に立式ができない、という場合も珍しくはありません。

 

 

 

また、小学校2年生の「かけ算」の学習の際に、

「○×□」なのか「□×○」なのかを意識しながら取り組み、

また、かけ算の学習をする前段階において、

例えば「4×3」は「4+4+4(4を3回たす)」という認識が「当たり前」になっていると、

 

中学の数学における「正負の数」の学習において、

「(+4)×(-3)」という式が出てきたときに、

「なるほど、+が3個ではなくてーが3個ということでもあるから、

(+4)を3回ひくということなんだな。」というふうに、数理操作の前に言葉での理解ができます。

 

中学数学における乗法・除法については、

「-(マイナス)の符号の偶奇で符号が決まり、符号の後の数だけをかければ答えが出る」

という方法がすぐに説明されますし、

その通りにやれば正しい計算にはなります。

 

ただ、その裏にある「理屈」を含めて理解できているか

それとも、ただの「計算方法」として覚えようとするのかで、

その後に理解を応用できるかどうかが変わってきます

 

 

前者の場合は、

数学Ⅱ(高2相当)の指数関数の学習においても、

「同じ数のたし算がかけ算で表せるのと同じ感覚で、同じ数のかけ算を累乗で表せる」という共通化をすることが容易なので、

「aのマイナス3乗」という数を、「a×(-3)」を理解した時と同じ感覚で理屈的に理解することができるでしょう。

 

後者の場合は、

「aのマイナス3乗」は、新しい枠組みとして覚えていかなければならないかもしれません。

 

 

ややこしい説明になってしまいましたが、

要するに、

低学年のうちに、「理屈こみ」で算数の理解を積み重ねていくことができると、

その後の算数・数学の学習においても、理解を体系化していきやすい、ということです。

 

(ゆえに、「計算だけができる」ということだけでは、低学年の算数学習としては不十分だということでもあります。)

 

 

すでに、低学年を過ぎてしまったみなさんで、

もし、算数に苦手意識を感じているのであれば、

その原因は、低学年時の算数の理解が曖昧なままになってしまっているからでしょうから、

学年を遡って理解を深めていく価値は大いにあります

 

また、現在、低学年のみなさんは、

今のうちから、それぞれの学習内容を言葉で説明できるくらいまで、理解を深めておくことをオススメします。

 

 

言葉で説明をしようとすると、

国語の力も必要となってくるでしょう。

 

必然的に、言葉を組み立てる力も伸ばしていくことができます。

 

 

低学年の算数学習は「計算を覚えること」にあらず。

 

ぜひ、たくさん言葉を使って、それぞれの計算の方法について、理解を消化していってください。

 

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藤田和彦