伝えたいことが伝わりやすくなる。「言葉の伝え方」

今回は、「言葉の提供の仕方」についてご紹介します。

 

前回のブログに引き続き「伝え方」シリーズです。

 

「伝え方」については、

日々、お子さまにたくさんのことを「伝えよう」とされてきているお父さま、お母さまにとっては「釈迦に説法」なのかなあ、というふうにも思っていますが、

 

大切な「基本となる考え方」をご紹介します。

 

 

言葉や情報を「受け止める」手順。

 

伝えたいことを、言葉にして伝えようとする際、

 

相手は、その言葉を

①耳で聞き

②頭で理解し

③心で納得する

という順番で受け止めていきます。

これが、情報の受け止め方(=インプット)の手順です。

 

そして、

④身体で行動する

というアウトプットへと変化していきます。

 

 

前回の「言葉選び」については、

②頭の理解を進めるための基本でした。

 

 

今回は、

③心で納得する

という段階におけるポイントについてです。

 

 

納得するためには言葉を「受け止める」という意思が必要。

 

「相手の話は、目をみて聞きましょう。」

 

そんな「聞き方」についてのお約束は、それこそ小学生になる前から学ぶお子様も多いでしょう。

 

ですが、

その上で、「心も向けて聴いているか。」

というのは、

ともすれば、年齢を重ねるたびに、難しくなっていくことだったりします。

 

10代に向かい、自立心が芽生えていく時期

それは、ある意味では「自然」なことでもあるでしょう。

 

 

特に、気心が知れている親子間でのコミュニケーションについては、

他人とのコミュニケーションよりも難易度が高くなりがちです。

 

そんな中で、

少しでも、伝えたいことが伝わりやすくなるためには、

 

伝える「タイミング」をはかることが重要です。

 

 

伝える「情報」を「お食事」にたとえて考えてみましょう。

 

「空腹は最高の調味料」という言葉がありますが、

この言葉は、皆さんも経験的に実感しやすいのではないでしょうか。

 

「お腹がすいた」

「何か食べたい」

というタイミングこそが、

お料理を美味しく食べられる絶好のタイミングです。

 

 

反対に、もし、

お腹がいっぱいで、眠たいな、と思っているような、そんな時だったら、

 

どんな一流レストランの高級料理だったとしても、

その料理を食べる「喜び」は、なかなか味わいづらいのではないでしょうか。

(さすがに、満腹の状態で高級料理を食べようと思ったことも、したこともないので、あくまでも想像ですが……。)

 

 

ご自宅でも、

食事の時は「お腹がすいてるか」を意識することがあるかもしれませんし、

 

反対に、

「もうすぐ夕食だから、ここでおやつを食べるのは控えておこう」

などと考えることもあるかもしれません。

 

 

ところが、

「話を伝える」ことになると、

ついつい、その「タイミング」を忘れてしまうことがあります。

 

 

「今、この話を聞く心の準備があるか」

は、

何かを伝えるときに、意識しておくと良いことです。

 

 

「話を聞く」意識を持ってもらう「確認」。

 

話を伝えるときに、

相手に話を聞く「意思」があるかの「確認」をすることで、

あわせて、伝える内容を受け止める心の準備をしてもらうことができます。

 

例えば、勉強の様子を確認したときに、

「筆算の行がズレていることで、計算のスピード、精度ともに落ちてしまっている」

ことに気がついたとします。

 

ここで、

「ほら、この筆算が汚いでしょう?もっと綺麗に書かないからこうやって計算ミスになっちゃうんじゃない。

と言いたくなる気持ちを、ぐっと抑えて、

こんなふうに確認してみるようにします。

 

「この問題、答えを間違えちゃったね。こういう問題を間違えなくなるコツがあるんだけど、知りたい?

 

こうした一言があるだけで、

「それって、どんなことだろう?」という興味がわいて

「計算ミスをしないようにするには、途中計算を丁寧にすると良い」ということを聞く意識を持つことができます。

 

「えーなに、教えて。」

と言われたら、

その時が、「お腹がすいた」という合図です。

 

 

ただ、もしかしたら、

「んー、いいよ別に。」

などという言葉が返ってくるかもしれません。

 

その場合は、

今が、伝えたいことを伝えるべき時ではありません。

 

「お腹がいっぱい」という人に、

これ以上、何かを食べさせようとすることはないからです。

 

「そっか、じゃあまた気になったときに教えてあげるね。」

と、可能な限りサラッと流して、その話題を切り替えるようにします。

 

 

(意外と、あっさり話が終わってしまったことで、かえって「やっぱり教えて」となる可能性もあるのです。)

 

 

相手が、今「話を聞くつもり」があるか。

 

面倒なようですが、

この一手間があるだけで、

話の伝わりやすさは、格段に向上します。

 

近しい相手ほど、この手順をスキップしてしまいがちなものです。

 

もし、「たくさん伝えているのに、なかなか話を聞いてもらえないなあ。」

と感じることがあったら、

少しだけ、参考にしてみていただけると、嬉しいです。

 

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藤田和彦